アンドレーアとブラジルサッカー2

さて、アンドレーアを『サッカーが上手い娘、強力なキックを持つ娘』と決めたのは良いのですが、彼女がサッカーを始めたきっかけは何だったのか。
どのように成長して、上手くなったのか。
そして完成形はどのような選手としたいのか。

実はキャラ自体は30年前に作ったとはいえ、アンドレーアを本格的に売り出そうと考えたのはここ2年程の話です。
ここでの「本格的に売り出そう」とは、「彼女の性格を設定し、半生を作る」ことを意味します。
元々生まれつき「足が速い」「すばしっこい」ことは決めており、そこからどう発展していくかを決めていきました。

ブラジルサッカーの仕組み

まず『ブラジル・サッカーのシステムって何だろう?』という、作者自身がブラジルに住んでいながら知識ゼロから始めました。そもそもブラジルの公用語であるポルトガル語も知らず、サッカーを元々やらないためハードルが高いと勝手に考えていたからです。

最初に調べたのは『ブラジルにプロチームはいくつあるのか?』と『プロ選手は何名いるのか?』でした。
その結果、ブラジル国内に約800のプロクラブ、約13,000のアマチュアクラブ、約11,000名の選手がおり、約1,200名がブラジル国外でプレー(海外移籍)していると出ました。この約12,200名から僅か30名程度のセレソン(ブラジル代表)が選ばれます。セレソンに選ばれることはこの国では最高の名誉と、国を代表する勝利への責任を負うことになります。

サンパウロ市内だけでも6つもプロクラブがあり、うち3つは世界的にも有名な「サンパウロFC(1930年設立)」「パルメイラス(同1914年)」「コリンチャンス(同1910年)」。残りの3つは「ポルトゲーザ(同1920年)」「ジュベントス(同1924年)」「ナシオナル(同1919年)」です。スタジアムの最寄り駅であるのを示すために「ナシオナル」以外はサンパウロ地下鉄(SP-Metrô)・郊外電車(CPTM)の駅名の一部にもなっています。

各プロクラブには球団歌(Hino)があり、それらとチーム名を組み合わせてYouTubeで検索すると、その球団歌を聴くことが出来ます。ブラジルに限らずアルゼンチンやチリなどの南米中のサッカークラブは球団歌を設定しているようで、ポルトガル語のHINOまたはスペイン語のHIMNOとチーム名を組み合わせて検索すれば、すぐに聴くことができます。
それらを次々と聴いて、クラブの名前を覚えていきました。

サンパウロFC球団歌(Hino do SPFC)
パルメイラス球団歌(Hino do Palmeiras)
コリンチャンス球団歌(Hino do Corinthians)
ポルトゲーザ球団歌(Hino da Portuguesa)
ジュベントス(サンパウロ市)球団歌(Hino do Juventus-SP)
ナシオナル(サンパウロ市)球団歌(Hino do Nacional-SP)

西暦1900年前後に誕生した100年以上の歴史を持つチームもあれば、ここ近年誕生したばかりのチームも存在します。日本のプロ野球(NPB)12球団で最も古いのは読売ジャイアンツ(1934年)で、次に阪神タイガース(1935年)ですから、それらよりも古いわけです。

色々と調べていくうちに、日本ではあり得ない特徴として『クラブの名前が複数の都市で使用される』ことがあります。
例えば「サンパウロFC」(São Paulo Futebol Clube)はサンパウロ市にあるクラブが最も有名ですが、実は他の都市や街にも「同じチーム名」を名乗るクラブが複数あります。
「パルメイラス」「コリンチャンス」や、リオデジャネイロが本拠地のクラブでもある「フラメンゴ」「ヴァスコ・ダ・ガマ」「ボタフォゴ」「フルミネンセ」を名乗る地方クラブも存在します。
更には外国の有名チームの名前を使うこともあり、スペインの「バルセロナ」やアルゼンチンの「リーベル・プレート」と名乗るブラジルのプロクラブも存在します。
都市に限らず広く使われているクラブ名は「アメリカ」や「アトレチコ」などもあります。

チーム名が重複していると、私のような初心者には余計に混乱してきます。
それらをどのように区別しているかというと『チーム名の後ろにブラジルの州の略称を付ける』『チームの愛称で呼ぶ』という方式を使っています。
例えば、ブラジル全国選手権大会(Campeonato Brasileiro、通称:Brasileirão)の1部リーグ(Série A)の常連に居るクラブで「アトレチコ」と名乗っているのは『アトレチコ・ミネイロ』(ミナスジェライス州ベロオリゾンテが本拠地)と、『アトレチコ・パラナエンセ』(パラナ州クリチバが本拠地)と、『アトレチコ・ゴイアニエンセ』(ゴイアス州ゴイアニアが本拠地)と3つあります。

このうちミネイロ、パラナエンセ、ゴイアニエンセはそれぞれ「〇〇州の人・物」という専用の単語を示すポルトガル語です。ブラジルでは州の略称はアルファベット2文字で決められており、それに置き換えます。それぞれ『Atlético-MG(ミナスジェライス州)』『Athletico-PR(パラナ州)』『Atlético-GO(ゴイアス州)』となります。
他にも各チームが設定するマスコットで区別することもあります。ミネイロは雄鶏(ガーロ/Galo)、パラナエンセはタイフーン(フラカォン/Furacão)、ゴイアニエンセはドラゴン(ドラガォン/Dragão)とも呼ばれております。
これらは日本のプロ野球でいう西武ライオンズが「獅子」と呼ばせたり、阪神タイガースが「猛虎」と呼ばせたりするのと同じ感覚です。

子供(11歳)の時のアンドレーア

一旦、ここでアンドレーアの話に戻します。
そもそも、アンドレーアがサッカーを始めたのはセレソンの試合に影響されたのがきっかけで、11歳の誕生日プレゼントとしてサッカーボールを両親に買ってもらいました。
サッカーを始めた頃のアンドレーアは、『足が速い』以外の天性の能力は特にありません。

学校からスクールバスで帰宅すると、毎日夕食の時間まで自宅マンション敷地内の広場でボールを蹴る練習から始めました。
サンパウロのマンションは防犯のために門番が24時間体制で管理し、2m以上の高さの塀で囲まれているのが一般的です。グーグルのストリートビューでサンパウロの街並みを一度ご覧頂きたいのですが、ブラジルには地震がないので、中規模以上の都市には20階以上のタワーマンションが多数建っております。彼女の家族が住んでいたマンション建物の前後には庭やプール等の小さな広場があり、アンドレーアはその塀の中でボールを練習しました。

夕食・宿題の後は、自分の部屋でネットでサッカーの試合を観戦するようになりました。
ただしブラジル全国で800もクラブがあると全試合を見るのは無理ですので、自然と最も高いレベルにあるブラジル全国選手権のセリエA(Série A)やサンパウロ州選手権(Campeonato Paulista、通称:Paulistão)の試合を食い入るように観戦するようになりました。
彼女は上手くなるために、有名選手の足技を見よう見まねで練習するようになりました。
簡単なものから始まり、練習・実践へと愚直に繰り返していきます。
それが彼女が上達していく一歩となりました。

なお、ブラジルでプロ契約が結べる年齢は16歳からになります。(つづく)

今回は以上になります。
今後も実際にお住まいになる際、ご旅行の際に自分の経験談も踏まえて書いていきたいと思います。

このサイトでは、このサイトの主人公であるブラジル人少女「アンドレーア」をきっかけに、ブラジルや南米についてご興味をもらっていただきたくコラムを書いております。

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